中南米に生息していた「ゴムの木」をコロンブスが発見し、ヨーロッパに持ち帰った「天然ゴム」。
イギリスが当時植民地にしていた東南アジアにゴムの木を移植し、
国家による本格的な栽培を開始させました。
しかし、ゴムの木から取る樹液は「生ゴム(ラテックス)」なので、「架橋」はされてませんでした。
ゴムの架橋を世界で初めて発見したのが、アメリカのグッドイヤーさんでした。
極貧の中でも諦めずに取り組み続けた長年の研究の末、「ゴムの架橋」に成功。
極貧のため、12人いた子供のうち6人は餓死してしまうという超過酷な状況・・・・
グッドイヤーさんも、うまくいかず諦めて、ゴムと全ての薬品を混ぜて、火の中に放り込んで、寝てしまうが、
翌日に架橋ゴムが完成していたということ。
一緒に放り込んだ薬品を調べているうちに、ゴムと硫黄、そして熱が加わると「架橋ゴム」が出来ることに突き止めることに成功。
しかし、やっと発明できた「ゴムの加硫」もグッドイヤーさんの晩年だったので、
結局グッドイヤーさんも多額の借金を抱えたまま死んでしまいました。
後年、子孫たちがタイヤ会社「グッドイヤー」を作り大富豪になりましたが・・・・
グッドイヤーさんの発明のおかげで、ゴムに硫黄を混ぜて架橋させることを「加硫」と言われており、
現在でもゴムの架橋方法に硫黄が使われることが殆どです。
硫黄を使わない架橋方法として「パーオキサイド架橋(過酸化物架橋)」というものがありますが、
この場合でも、硫黄を使っていないにも関わらず、ゴム業界では「パーオキサイド加硫(過酸化物加硫)」ということが多いです。
また余談ですが・・・・
ゴムに大量の硫黄(重量比で30%)を入れて加硫させると、「エボナイト」と言われる超硬質ゴムが出来上がります。
このようにゴムの「架橋」には欠かすことができない「硫黄」。
ゴムの加硫が、世界の産業界に与えた影響は計り知れません。
これからも引き続き「加硫」を頑張っていきます!