共和ゴム株式会社

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角型FEP管の歴史と進化|角型TACレックスと角型エフレックスの違いについて

いつもお世話になっております。
共和ゴム株式会社代表取締役の寺阪です。

本日は最近大きく市場が伸びている「角型FEP管」の歴史について話しをしたいと思います。
角型FEP管と言えば、東拓工業株式会社さんの「角型TACレックス」が一番有名です。
何故、角型TACレックスが市場で一番有名かと言うと、この「角型FEP管」という市場は東拓工業さんが苦労してゼロから築き上げた新しい市場だからです。

元々、電設業界では丸形のFEP管しかありませんでした。
この丸形のFEP管の市場をゼロから創り出したのが古河電工さんであり、商品名は「エフレックス」です。
もう50年以上前の話しだと思いますが、今でもエフレックスは市場シェアの過半数を占めており、市場での認知度は圧倒的No1です。

丸形のFEP管しかなかった電設市場に対して、2000年くらいから東拓工業さんが研究開発を進めてきた新製品が「角型TACレックス」です。
丸形のFEP管では不可能だった段重ねが容易にできるため、掘削面積が小さくでき、全体の施工費が削減できるというのが角型FEP管のメリットとなります。

当初はなかなか市場でも認めてもらえず、またJIS規格にも入ってませんでした。
とてもとても小さな市場から始まり、東拓工業さんの多大な努力の結果、JIS規格(JIS C 3653附属書3)となり、少しずつ市場でも受け入れてもらえるようになり市場は徐々に拡大していき、
現在では無電柱化工事には角型FEP管が使われることが多くなってきました。

角型FEP管(角型TACレックス)の市場拡大に伴い、競合他社が角型TACレックスの類似品を開発し市場に投入してきました。
まず類似品として最初に製品したのがカナフレックスコーポレーションでした。
次に未来工業さんが製品化に成功しました。

長らくこの2社と東拓工業さんを合わせた計3社が市場を占めてましたが、やはり東拓工業さんの「角型TACレックス」の認知度・知名度・信頼度は高く、競合他社が参入してきても市場シェア80~90%は占めており圧倒的な市場シェアを誇ってました。

毎年ドンドンと増えていく角型FEP管の市場拡大に対して、丸形のFEP管の市場シェアNo1を誇る王者・古河電工さんが、数年前から角型FEP管の市場にも参入してきました。
その商品名は「角型エフレックス」と言います。

古河電工さんは商品開発にあたり、東拓工業さんの「角型TACレックス」をとことん研究してきたようです。
東拓工業さんの保有特許が切れたタイミングをうまく狙い、公知となった技術も使ってうまく製品開発しております。

さて「角型TACレックス」と「角型エフレックス」は何が違うのでしょうか?
当社で「角型TACレックス」と「角型エフレックス」を次のように比較してみました。

これを見ても分かる通り、角型TACレックス、角型エフレックスともに、殆ど同じ寸法で製造されております。
内径は少し違いがありますが、外径は同じ寸法でした。
材料グレード、金型、製造方法、製造条件などの問題があるのに、全く同じように製造してきた古河電工さんの製造能力の高さにはとても驚きました。

丸形のFEP管の市場シェアNo1で、かつ電設市場ではNo1と言われる古河電工の参入によって、角型FEP管の市場シェアにも大きな変動はあったと思われます。
実際のキチンとした市場シェアは分かりませんが、やはりこの市場をゼロから築き上げた東拓工業さんの認知度・知名度の高さは凄いですので、現在でも東拓工業さんの角型TACレックスが市場シェアNo1は間違いありません。

また角型TACレックスの市場シェアはどのくらいでしょうか・・・?
恐らく市場シェア60%以上は東拓工業さんの角型TACレックスではないでしょうか。

2位は古河電工さんの「角型エフレックス」市場シェア30%ほど。
3位は未来工業さんの「角型ミラレックス」市場シェア10%未満。
色々と情報収取した個人的な意見となりますが、ざっとこんな感じだと思います。

最後発商品ながら現在市場シェア2位を占める古河電工さんの底力・営業力も改めて凄いと思いました。

ただやはり「角型FEP管」の市場をゼロから創り出した東拓工業さんの認知度・知名度の高さ、長年の実績の多さ、信頼性などは他社を凌駕するものがあります。
長年、諦めずにこの市場を築き上げてきた東拓工業さんの戦略性・先見性・努力は本当に素晴らしく凄いと思います。

角型FEP管の市場拡大に伴い、当社にも「在庫してるハンドホールと角型FEP管を容易に接続したい」といった色々な話しが舞い込んできました。
角型TACレックス、角型エフレックスともに、ハンドホールと接続するためにはベルブロックと呼ばれるレジン製の製品をハンドホールに埋め込む必要があります。
ハンドホールに埋め込まれたベルブロックに角型FEP管が接続される構造となっております。

ただハンドホールに、このベルブロックを埋め込む際には、特注でハンドホールを製造する必要があります。

手順としては次のようになります。
①埋め込むベルブロックに合わせた発泡スチロールなどを製作する
②発泡スチロールを型枠にセットする
③型枠にモルタルを流し込んでハンドホールを製造する
④製造したハンドホールにセットされてる発泡スチロールを壊して取り外す
⑤その空間部分にベルブロックをエポキシ趣旨やモルタルなどで取り付ける
⑥ハンドホールを養生する(常温なら2週間ほど)

このような製造過程の特注ハンドホールとなるため、どうしても納期が掛かってしまいます。
養生期間も含めると1ヶ月以上はどうしても掛かってくると思います。

丸形のFEP管をハンドホールに接続する際には、全く孔などは空いていない在庫してるハンドホールに削孔し、
その孔に対して当社の「なんでも継手」などハンドホール継手を使い容易に接続できます。

当社はこの技術を応用し、全く孔などが空いていない在庫してるハンドホールに、丸い孔さえを開ければ、
角型FEP管が容易に接続できる「角型FEP用なんでも継手」という製品を2021年5月に開発し販売しました。
ベルブロックは使わないため短納期で対応可能となっております。
因みにこのような接続方法で角型FEP管をハンドホールに取付けられるのは業界初となります。

当社の「角型FEP用なんでも継手」は202Ⅰ年発売以来、
市場先行商品として国土交通省、東京都など様々な現場で使われ実績も多数ございます。
当社の「角型FEP用なんでも継手」一つだけで、変な変換アダプターなどは一切なく、東拓工業さんの「角型TACレックス」、古河電工さんの「角型エフレックス」ともに適用できる構造となっているのも大きな特長となっております。

また当社の「角型FEP用なんでも継手」は電線共同溝管路材試験実施マニュアル3.3.9に準拠した水密性試験(止水試験)を行っております。
この規格では外水圧0.05MPa×5分間と定められてますが、当社では安全率を鑑み、外水圧は基準値(0.05NPa)の2倍である0.1MPaまで高め、また試験時間も基準である5分間の3倍となる15分間で水密性試験を行っており漏水がないことを確認しております。
ここまで安全率を考えしっかりと水密性試験を行っているのも当社「角型FEP用なんでも継手」の大きな特長です。

「角型TACレックス、角型エフレックスを使いたいが納期を大幅に短縮したいお客様」は、
是非とも当社が自信を持ってお勧めする「角型FEP用なんでも継手」をご検討いただければ幸いです。

何卒宜しくお願い致します。

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