共和ゴム株式会社

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アラミド繊維×SBRゴム|超薄・超高強度の一体成型技術を共和ゴムが実現

アラミド繊維とSBRゴムの一体成型に成功!

〜求められたのは「超薄・伸びない・高強度ゴム」〜

共和ゴムでは、異種材料間の多層成型技術を強みとしており、以下のような一体成型を得意としています。

■ 代表的な多層成型実績

  • 硬質ゴム(SBR硬度93°) × 軟質ゴム(NR+EPDM硬度30°)
  • 硬質ゴム(SBR硬度93°) × 一般硬度ゴム(SBR硬度70°)
  • 軟質ゴム(EPDM硬度30°) × 水膨張不織布
  • 硬質ゴム(SBR硬度93°) × 超軟質ゴム(EPDM硬度15°)
  • 超軟質ゴム(EPDM硬度15°) × 芯金
  • EPDM硬度85° × 70° × 15°の三層一体成型

今回の挑戦:アラミド繊維との一体成型

きっかけは、お客様からのこんなご相談でした。

「とても薄くて全然伸びない、でも強度の高いゴムが欲しい」

さまざまな補強材を試しても成果が得られず、そこで着目したのがメタ系アラミド繊維との一体成型です。
普段から取引のある帝人フロンティア株式会社に相談し、以下3種類のアラミド繊維を選定しました。

品番 目付(g/㎡) 厚み(mm) 引張強度(N/5cm) 伸度(%)
MF0200 60 0.11 2000以上 0.1以下
MF0402 78 0.13 3250以上 0.1以下
MF1000 156 0.24 6000以上 0.1以下

実験結果:ゴムとの物性試験

それぞれのアラミド繊維と、SBR硬度93°ゴムの一体成型品を作成し、物性を比較しました。

成型品構成 合計厚み(mm) 引張強度(MPa) 伸び(%)
MF0200 + SBR93° 0.49 110 4.1
MF0402 + SBR93° 0.67 93 5.5
MF1000 + SBR93° 0.81 108 4.8

注目すべきは、最も薄く・強度の低かったMF0200が、ゴムとの相性が最も良好だったという点です。
引張強度は110MPaを記録し、一般的な「高強度ゴム」の基準(12MPa)をはるかに上回る約9倍の強度を実現しました。

なぜこの技術が価値を持つのか?

  • 超薄・超強度・低伸びという特性の両立
  • ✅ ゴムとしての粘弾性・柔軟性は維持(プラスチックのような脆さがない)
  • 製品設計の自由度が向上(強度部材として薄く使える)

まとめ:異種材料の融合がもたらす次世代ゴム材料の可能性

共和ゴムは、従来のゴム単体では実現できなかった異次元の性能を、異種材料との多層成型技術によって具現化します。

今後も、お客様の声を起点に、さまざまなマテリアルとゴムを融合させた新製品開発に挑戦してまいります。

最後に

今後も、現場の声やお客様のニーズに真摯に向き合いながら、「ゴムの可能性」を広げる製品づくりに挑戦してまいります。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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