いつもお世話になります。
共和ゴム株式会社・代表取締役の寺阪です。
昨日はソサイチ(7人制サッカー)練習試合でした。
母校である同志社香里高校のサッカー専用人工芝グランドをお借りして、同志社香里サッカー部OBチームvs共和ゴムFCで試合をしました。
炎天下のなか14時半〜17時半までガッツリとサッカーを楽しみました。
3-2-1、3-2-2を中心に、2-2-2など様々なフォーメーションを試しましたが、3-1-2が意外と機能して良かったのが収穫です。
あとずっとFWで起用した弊社営業・武政がたくさん得点し断トツの得点王でした。
関西ソサイチ3部リーグではまだ未得点の武政の得点力が復調したのは共和ゴムFCとしてとても大きいです!
今回は敵チームとして対戦しましたが、僕も同志社香里サッカー部OBで、
一応、同志社香里サッカー部OB会長を今年から務めております。
OBチームも発足し、今年秋には大会に参戦予定です。
練習試合後は、両チームで仲良く記念撮影を撮りました。
さて余談が長くなってしまいましたので本題に移ります。
ゴムの試験の中にキュラストメーターという試験機があります。
加硫していないゴム、いわゆる未加硫ゴムの試験機として一般的な試験で、当社のようなゴム成形メーカーにとっては、どこも必ずこの試験を行なっているほどとても重要な試験です。
JIS K6300-2(2001)ダイ加硫試験機法としてJIS規格でも定められております。
どのような試験かと言うと、
未加硫ゴムの試験片をキュラストメーターにセットし、任意の温度を掛け、時間とともに進んでいく加硫度をトルクで計測します。
最大トルクを100%とします。
この最大トルクが完全にゴムが加硫した事を示します。
例えば温度170℃×10分間で最大トルクになった場合、この未加硫ゴムは温度170℃×10分間で加硫が完成するということです。
ただゴム成形メーカーにとって一番重要なのは最大トルク時の条件ではなく、トルク10%(T10)とトルク90%(T90)の2つとなります。
T10(トルク10%)は、固定である未加硫ゴムが温度と時間によって流動化し、金型の隅々まで流動化したゴムが行き渡り出すことを示します。加硫後、何分間でT10になるかが分かれば、そのタイミングでエア抜きや低圧での型締めなどを繰り返し複数回行うことで金型内のエアを取り除き、金型の隅々まで流動化されたゴムを行き届かせることができます。
T90(トルク90%)は、文字通り最大トルク値の90%まで達した事を示し、当社のようなゴム成形メーカーはこの時点で金型を開けてゴム成形品を取り出し成型完了とします。
なぜトルク100%ではなく90%で取り出すのかと言うと、金型からゴム成形品を取り出してもゴム成形品はまだまだとても熱い状態です。大気に触れさせて自然冷却してる間に、その余熱で最大トルクである100%に達すると言われております。
余談ですが、
最大トルクに達しているにも関わらず成形(加硫)を終わらない場合は「オーバー加硫」となります。
どんどんとオーバー加硫が進むと、
- 合成ゴムの場合は伸びが悪くなるなど物性が落ちてゴム本来の弾性率が発揮できなくなっていきます。
- NRゴム(天然ゴム)の場合は「加硫戻り」という現象が現れます。
「加硫戻り」とは、最大トルクに達したゴムのトルク値がまたどんどんと低下していく現象のことです。加硫によってせっかく粘弾性体となったにも関わらずまた粘度がドンドンと落ちていきますのでNRゴム(天然ゴム)の場合は加硫戻りをしないように特に注意が必要です。 - パーオキサイド加硫(過酸化物加硫)の場合は、加硫時間を長くすればするほど最大トルクがどんどんと上がっていくので延々と最大トルクが導き出せないという現象になってしまいますので、経験則からある程度のトルクを最大トルクとして定めて、そこからT10とT90を導き出すしかありません。
このようにキュラストメーター試験を行う目的としては、
- ちゃんと加硫剤や加硫促進剤などが配合されているか?
- 過去の加硫曲線データと比較して相違はないか?
- 加硫温度を変えた際に加硫条件はどうなるのか?
- その加硫温度での成形時間を導き出す
これらの事をちゃんと調べることができるキュラストメーターはゴム成形メーカーの製造現場にとってはかなり重要で欠かすことの出来ない重要な試験となっております。
当社ではこのように全ての未加硫ゴム原材料においてキュラストメーター試験を行うことで厳重な品質管理を行なっております。