共和ゴム株式会社

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各社FEP管(波付硬質ポリエチレン管)の違いを説明いたします。

今回は、電気工事やケーブル工事の際に使われる地中埋設電線保護管として有名な「FEP管」について説明いたします。

FEP管とは「波付硬質ポリエチレン管」という電線やケーブルなどを敷設する時に使われる地中埋没管・地中保護管のことです。
Flexible Electric Pipeの略で「可とう性電線管」とも言われる場合があります。
衝撃や圧力に強く、可とう性があるため、容易に曲げられるため高い施工性が期待出来ます。

古河電気工業株式会社が1967年に、「エフレックス」という製品名で開発に成功し、日本で初めて売り出しました。
最盛期には7社が参入してましたが、現在では古河電気工業株式会社、東拓工業株式会社、タイガースポリマー株式会社、未来工業株式会社の4社がFEP管を製造・販売しております。

先発メーカーである古河電気工業株式会社は50年以上経った現在でも、市場シェアの50%以上を握るトップシェア企業で、2位企業として東拓工業株式会社が続いております。

FEP管は、JIS規格にも定められております。
JIS C3653「管路式の管」(波付硬質合成樹脂管)

JIS規格で定められたFEP管ではありますが、各社製品名が異なります。

  • 古河電気工業「エフレックス」
  • 東拓工業株式会社「TACレックス」
  • タイガースポリマー株式会社「タイレックス」
  • 未来工業「ミラレックス」

エフレックス、TACレックス、タイレックスはスパイラル管となっておりますが、ミラレックスだけ独立山(リブ管)となっております。

また実は寸法や断面形状も各社違います。

古河電工「エフレックス」φ100 パイプ形状

古河電工「エフレックス」φ100 パイプ形状

  • FEP外径(山外径)φ130
  • 谷外径φ104
  • 内径φ100
  • ピッチ32
東拓工業「TACレックス」φ100 パイプ形状

東拓工業「TACレックス」φ100 パイプ形状

  • FEP外径(山外径)φ128
  • 谷外径φ108
  • 内径φ101
  • ピッチ25
タイガースポリマー「タイレックス」φ100 パイプ形状

タイガースポリマー「タイレックス」φ100 パイプ形状

  • FEP外径(山外径)φ130
  • 谷外径φ108
  • 内径φ100
  • ピッチ34

このように外径、山の高さ、山の形状、ピッチなどが各社によって違います。

次に各社FEP管のサイズごとの寸法表をまとめてみました。
(あくまでも当社での計測となりますが・・・)

古河電工製「エフレックス」寸法表

古河電工製「エフレックス」寸法表

 

東拓工業製「TACレックス」寸法表

東拓工業製「TACレックス」寸法表

 

タイガースポリマー製「タイレックス」寸法表

タイガースポリマー製「タイレックス」寸法表

 

このように各社FEP管は同サイズであっても外径、山外径、ピッチなどが違ってます。
電設業界で要求される止水性能は外水圧0.05MPa×5分間となっているため、
この要求される止水性能を満たすために各社それぞれ専用の継手を用意しております。

実際には各社とも安全率を考えて外水圧0.05MPa×5分間ではなく、もっと厳しい社内基準での止水試験を行っていると聞いております。

このように外水圧0.05MPa×5分間という規格は大変厳しく、FEP管の断面形状や寸法などをしっかりと考慮しなければクリアーすることは難しいものとなっております。

2006年から販売してる当社のロングセラー製品である「なんでも継手」は、形状や寸法が違う古河電工製「エフレックス」、東拓工業製「TACレックス」、タイガースポリマー製「タイレックス」すべてに対応しており、安心して接続できるというのが最大の特長です。

(未来工業製FEP管「ミラレックス」は独立山形状なので、なんでも継手独立山タイプで接続できます)

当然電設業界での要求止水性である外水圧0.05MPa×5分間もクリアーしております。
当社では安全率も考えて、外水圧0.05MPa×15分間、外水圧0.1MPa×15分間でも確認しており、各社FEP管とも全てクリアーしております。

なんでも継手に関する資料となります。

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