共和ゴム株式会社

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スタッフコラムstaff column

本業の「ゴム成型(ゴム成形)」について

皆様、こんにちは。
共和ゴム・代表取締役の寺阪です。

当社は、ゴム製品、プラスチック製品、スポンジ製品はじめ健康グッズなども製造販売しており、多岐にわたって商品化しておりますが、今回は本業の一つである「ゴム成型(ゴム成形)」についてお話したいと思います。

「ゴム成型(ゴム成形)」とは、未加硫のゴム材料を、加熱された金型に入れて、プレス成型機にて成型することを指します。

そもそも「加硫」とは、
生ゴムに硫黄などの加硫剤や加硫促進剤を添加し、加熱・加圧することで架橋反応を起こし、ゴムの分子同士をうまく連結させ、三次元的な網目高分子構造にすることで、ゴムに弾性や耐熱性を付与させることを言います。

硫黄などの加硫剤や加硫促進剤を入れる前の生ゴムの状態(但し、カーボンブラックや可塑剤などその他添加物は混入されている状態)を「A練り」と言い、硫黄などの加硫剤や加硫促進剤を入れた生ゴムの状態を「B練り」とか「ファイナルバッチ」という言います。

 

加硫の際に必要な加熱・加圧についてですが、
加硫剤である硫黄は120℃付近で熱分解されるので、最低でも120℃以上の加熱温度は必要となります。
原料ゴムの材質、加硫剤や加硫促進剤の種類や添加量によっても変わってきますが、一般的な加熱温度は180~200℃となります。
加圧に関しては、最初は30~60㎏ほど、途中で100~120㎏ほど、最終的には200㎏ほどまで加圧しますが、これに関しても製品の厚みや形状によって色々と条件を買えます。

 

当社ではJSR株式会社製の加硫試験機「キュラストメーター」があります。この「キュラストメーター」と呼ばれる試験機は、未加硫の生ゴム「B練り」のスコーチ時間、加硫速度指数、最適加硫時間などの「加硫の速さ」に関する情報や、未加硫状態でのゴムの粘度、加硫後のモジュラス(力)など「腰の強さ」に関する情報が得られ、当社のようなゴム成型メーカーにとっては必要不可欠な試験機となります。

 

キュラストメーターでたくさん得られる情報のうち、特に重要な情報がT10時間、T90時間となります。

「T10時間」とは、トルクが10%になった時の加硫時間のことで、スコーチが始まる時間となります。スコーチとは「焼け」のことであり、ゴムが焼け始める時間とも言えます。スコーチが始まるとゴムの架橋が段々と進んでいきます。逆に言えば、この時間に到達するまでは、ゴムは流動性がある柔らかい状態となります。この「T10時間」が長ければ長いほど、スコーチまでの時間が長く、流動性があるので、ある意味「成型しやすい」材料とも言えます。
温度との相関性が高いのでT10時間を延ばしたいのであれば、加硫温度を5~10℃下げると効果があります。

「T90時間」とは、トルクが90%になった時の加硫時間のことで、「加硫最適時間」とも言います。
T90時間でゴム成型を終了します。なぜトルク100%ではなく、90%なのかというと、成型されたゴムを金型から取り出し、自然放置することで自然冷却するのですが、その余熱でトルク100%になるだろうと言われております。(但し諸説あり)
加硫温度を上げるとT90時間も短縮できるので生産性はUPしますが、T10時間も短くなるので、それによる不良は増える傾向です。

よって製品の厚み(厚みはかなり重要!)、製品形状、ゴム材質、加硫系などを考慮し、キュラストメーターで確認しながら、加硫温度や加硫時間を決めております。

 

製品の厚みと加硫時間に関しては、
ゴム業界では、「厚み1mm当たり加硫時間1分間」と言われることが多いです。

例えば製品の厚みが10mmなら加硫時間は10分間、製品の厚みが30mmなら加硫時間は30分間という感じです。
但し、これはあくまでも業界でいう目安ですので、参考程度でお考え下さい。

 

こんな感じで「ゴム成型(ゴム成形)」は、意外と複雑なんです・・・・

今後も何卒宜しくお願い致します。

 

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