こんにちは、共和ゴム株式会社です。パッキンやシール材を長く使っていると、ゴムがつぶれたまま戻らなくなる「へたり」が起こることがあります。今回は、このへたりの度合いを表す「圧縮永久ひずみ」について解説します。
圧縮永久ひずみとは
圧縮永久ひずみとは、ゴムを一定の時間・温度で圧縮したあと、力を取り除いても元の厚さに戻らずに残った変形の割合のことです。単位は%で表し、数値が小さいほど「元に戻る力が強いゴム」といえます。
つまり、圧縮永久ひずみが大きいゴムは、使っているうちにつぶれたままになりやすく、すき間をふさぐ力が弱くなります。

試験方法と計算式
試験方法は、日本産業規格のJIS K 6262で定められています。まず、円柱状の試験片の厚さを測り、スペーサーを使って決められた厚さまで圧縮します。
次に、その状態のまま、決められた温度で一定時間置きます。そして、圧縮を解いて一定時間休ませたあと、もう一度厚さを測ります。計算式は次のとおりです。
圧縮永久ひずみ(%)=(t0 − t2)÷(t0 − t1)× 100
- t0:試験前の厚さ
- t1:圧縮しているときの厚さ(スペーサーの厚さ)
- t2:圧縮を解いたあとの厚さ
たとえば、まったく元に戻らなければ100%、完全に元に戻れば0%になります。
圧縮永久ひずみが大きくなる原因
主な原因は、熱や時間によって、ゴムの分子どうしのつながり(架橋)が変化することです。特に、高温で長い時間圧縮されると、ゴムは押された形のまま落ち着いてしまいます。
また、つぶし過ぎも原因になります。設計よりも強く圧縮すると、ゴムに大きな負担がかかり、へたりが早く進みます。
圧縮永久ひずみに強いゴム材料
一般に、耐熱性の高いゴムは、高温でもへたりにくい傾向があります。たとえば、シリコーンゴムやEPDMは、熱がかかる部分のシール材によく使われます。
さらに、同じEPDMでも、加硫の方法によって性能が変わります。一般に、硫黄加硫よりもパーオキサイド加硫のほうが、圧縮永久ひずみは小さくなりやすいといわれています。
なお、EPDMの特徴については、EPDMの特徴・用途・使用温度の解説記事でも詳しく紹介しています。
設計で気をつけたいポイント
- 使用温度:実際に使う温度に近い条件のデータで比べる
- つぶし代:つぶし過ぎず、少な過ぎない圧縮量にする
- 使用期間:長く使う部分には、余裕をもった材料を選ぶ
このように、材料だけでなく使い方も合わせて考えることで、へたりにくいゴム製品になります。
よくある質問
Q. 圧縮永久ひずみの値は何%なら良いですか?
A. 用途や試験条件によって大きく変わるため、一律の基準はありません。そのため、同じ温度・時間・圧縮率の条件で比べることが大切です。
Q. 硬度との違いは何ですか?
A. 硬度は「その時点の硬さ」を表します。一方、圧縮永久ひずみは「長く押されたあとに元に戻るか」を表します。両方を見て材料を選ぶと安心です。
まとめ|へたりにくいゴム選びに欠かせない指標
圧縮永久ひずみは、シール材やパッキンの寿命を考えるうえで欠かせない数値です。使用温度や圧縮量に合わせて、適したゴム材料を選びましょう。
共和ゴムでは、使用条件に合わせたゴム材料のご提案から試作まで対応しています。お気軽にお問い合わせください。
